JR羽越本線の高速化をめざすシンポジウムが2023年10月24日、鶴岡市内のホテルで開かれ、本学の神田直弥学長が「気候変動と公共交通」と題して基調講演に立ちました。
神田学長は1人が自家用車で1キロメートル移動する際に出る二酸化炭素(CO?)の量は、鉄道の7.6倍に上るとの試算をもとに、過度な自動車利用を抑制するモビリティ?マネジメントの導入を訴えました。CO?排出量を2050年に実質ゼロとする政府目標の実現に向け、移動時に自動車以外の選択肢を増やす必要性を強調したうえで、公共交通機関の定額乗り放題などを導入している欧州主要都市の取り組みを紹介しました。
デジタル技術を活用したMaaS(モビリティ?アズ?ア?サービス)によって、つなぎ目のない効率的な移動サービスを実現できると提案。乗り物同士の組み合わせにとどまらず、交通と地域産業、民間と行政、地域と地域を結びつけながら、楽しさや新鮮さといった移動すること自体の価値を高める地域交通政策の再デザインを提唱しました。
このシンポジウムは秋田、山形、新潟3県の羽越本線沿線自治体などの主催で毎年開いており、今年度は自治体職員、議員、経営者や住民など約300人が参加しました。